今回は詐欺サイトをテーマに記事を書かせていただきます。実際の詐欺サイト画面をお見せしながら、騙されないように気を付けるポイントを記載しています。是非ご覧下さい。
〇導入 ~アイスバグの詐欺サイト~
先日、弊社が取り扱っているブランド「ICEBUG アイスバグ」について、弊社のお客様から問い合わせがありました。
「アイスバグを格安で販売しているサイトがあるんだけど、何か知っていますか?」
そうなんです、アイスバグにも詐欺サイトが出来てしまったんです。「Icebug Japan」という公式感の強い名前の詐欺サイトで、しかもサイトの作りが巧妙なため、一見して詐欺サイトだと気付けない人も多いと思います。そのサイトの存在は知っていて過去に通報したことはあるのですが、残念ながらいまだに消えていません。(2024年12月23日現在)
(皆様も、詐欺サイトを見つけたら警視庁のホットラインから通報しましょう。)
ホットラインセンター https://www.internethotline.jp/
今回はお客様にはすぐに説明して注意を促しました。詐欺サイトにも色々な目的・種類があると思いますが、個人情報(クレカ情報)が狙われるけケースも多いです。「Icebug Japan」のホームページで商品を注文しても確実に商品は届かず、個人情報だけ抜かれてしまうでしょう。
〇本編 ~詐欺サイトに引っかかりにくくするための意識付け~
では、どのようにすれば詐欺サイトに引っかからないでしょうか。
私見ですが、「100%引っかからない明確な対策はない」と思っています。詐欺サイトの種類も多岐に渡り、完成度も様々です。「ネットショップを利用しない」以外の完璧な対策は無いと思います。
ただ、100%でなくとも防ぐことは可能です。詐欺サイトは完成度が高くても基本的にはどこかに粗さがあることが多いため、誰でも騙されうるという意識を持ち、細かい違和感に敏感になることが大切だと思います。
折角「Icebug Japan」という教材があるので、これからは「Icebug Japan」の粗を探していこうと思います。
1.価格が安すぎる
商品を知っている場合、価格は詐欺サイトを見抜く一つのポイントになります。割引率で釣ろうとしてくる詐欺サイトが一定数あるためです。
アイスバグのシューズは、普通の運動靴より高価格帯です。アイスバグ独自配合の滑りにくいアウトソールに加え、ゴアテックス防水やボアダイヤルなど特徴のある商品が多いことが理由です。「Icebug Japan」では全商品を原価に近い異常な廉価販売をしているため、私は一瞬で詐欺サイトだと見抜くことができます。ただ、価格から見抜くのは商品を良く知らないと難しいかもしれません。
細かく言えば、ブーツも靴も値段が変わらないのも違和感ポイントですね。それにしても安すぎる!購入しても絶対商品が送られてきません!ご注意を!
↓
2.日本語に違和感がある
3.サイト構成に違和感がある
下記3枚のスクリーンショットを見て違和感を覚えますか?何点かおかしいポイントがあるので、探してみてください。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0520/7726/5089/files/5_600x600.jpg?v=1734928126)
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0520/7726/5089/files/2_6f23909f-a247-4b69-90da-e5182fb496ed_600x600.jpg?v=1734928126)
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0520/7726/5089/files/6_600x600.jpg?v=1734929373)
私が感じた点を列記します。
・スノーブーツで絞り込んでいるのに、明らかにスノーブーツではない商品が紛れ込んでいる
・「1色で」「2色で」という日本語がおかしい。色の展開数を示したいなら「1色」「2色」や「1カラー」「2カラー」などと書くべきで、「1色”で”」のような”で”はいらない。
・絞り込み画面のサイズの並びが、昇順になっていなくてめちゃくちゃ
・商品詳細が日本語ではなく英語
・「下記をご確認頂きますよう~」と記載があるのに、下に何の記載も無い
詐欺サイトは素早く労力をかけずに外国人が作っている場合も多いため、日本語の完成度やレイアウトの完成度に難がある場合が多いです。そういったサイトを見つけたら購入しないのが得策です。
ただ、最近のAI技術の進歩は目を見張るものがあり、日本語の翻訳性能の向上等で今後さらに見抜きにくくなる可能性はございますので、注意が必要です。
事業者目線で見ると、自社ネット販売拡充のためには、細部のレイアウト・日本語の完成度を高めねばならないというのは感じます。粗があると、お客様に不安感・警戒心を持たれてしまいます。こういう風にブログを書いているのも、明らかにまともな人が運営しているな、と感じ取ってもらうためという側面もあります。
4.運営会社がおかしい
法人が運営するネットショップは、特定商取引法に基づく表記が義務付けられています。そのため、サイトを探せば運営会社の情報が見つかるはずです。逆に、見つからない場合は注意が必要です。個人が運営する場合は特商法に基づく表記は非表示でも適法らしいですが、基本的には運営会社が分からないサイトは全て怪しいと思ったほうが安全だと思います。
ただ、「Icebug Japan」は、実在の会社の情報を丸写しで載せるという技を使用していました。表示上は「株式会社ロイヤル」が「Icebug Japan」を運営していることになっていたのですが、実際に株式会社ロイヤル様へ問合せしたところ、勝手に名前を使われて困っているとのことでした。実在の会社の名前を騙られると、信用度が増してしまうので巧妙です。
↓「Icebug Japan」の個人情報保護方針 株式会社ロイヤル様の名前を使用しているが、無断で勝手に利用しているだけで株式会社ロイヤル様とは無関係
↓株式会社ロイヤル様HP上の注意喚起
巧妙な場合はありますが、運営会社について調べたり、チャット機能があるならば質問をしてみたりすると、まともな事業者か確かめることができて良いと思います。
5.チェックアウト機能がおかしい
当然ですが、セキュリティがしっかりしている決済機能を自社で作成することは非常に難しく、有象無象の会社には100%不可能です。巨大企業を除けば、全てのまともなオンラインストアは、「商品を購入して決済する」カート機能は外部システムを利用しているのではないでしょうか。弊社のこのオンラインストアは、「shopify」という世界中で使われているサービスを使用しています。こういった外部サービスを利用していると、当然ですが、レイアウトも綺麗でセキュリティも頑強で、クレジットカードの情報を店が見ることは不可能です。
では、「Icebug Japan」はどうでしょうか。
まずは会員登録画面ですが、「Icebug Japan」のWEBサイトでは誤った情報で会員登録が出来てしまいます。不十分な住所、存在しない郵便番号、4桁の電話番号が登録できてしまいます。
ショッピングカートも、下の画像の通りまともではありません。皆様は違和感ポイントを見つけられますか?
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0520/7726/5089/files/10_600x600.jpg?v=1735003411)
逆に言えば、この下記画像の決済画面に違和感を覚えない人は、ややネット上で詐欺にあう危険度が高い可能性があります。オンラインショッピングをされる際は、今以上に細心の注意を払っていただくことをお勧めします。
私が見つけたおかしなポイントを列記します。
・商品代金・税金(消費税)の金額が分かるように表示されていない
・クレジットカード情報入力フォームが2つあり、レイアウトが美しくない
・2つのクレジットカード情報入力フォーム双方にマスターカードのマークが付いていて、どちらに入力すれば良いか分からない
・クレジットカード情報入力フォームに「これは何でしょう」という謎の表記がある
・カードの名義人を入力する箇所がない
・そもそもレイアウトが全て汚い
弊社のWEBサイトは大手サービス「shopify」を使っているので、↓こんな感じです。
郵便番号を入力すると途中でサジェストしてくれますし、不十分な電話番号は当然受け付けません。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0520/7726/5089/files/11_1024x1024.jpg?v=1735004091)
決済機能も見た目からしっかりしています。税金の金額も分かります。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0520/7726/5089/files/12_1024x1024.jpg?v=1735004091)
〇結論
ここまでお読みいただいた方、ありがとうございました。
詐欺に引っかからないのは難しいと感じましたか?簡単だと感じましたか?
詐欺サイトが溢れている時代です。繰り返しになりますが、誰でも騙される可能性があります。小さな違和感に敏感になる、違和感を覚えたら一度立ち止まる、そんな意識づけが大切だと思います。
安全なネットショッピングができますことを願っております!