先日、スポーツの展示会ISPO イスポについてブログを投稿しました。当該記事内でも言及したのですが、欧州では環境意識が高まっており、日本と比べてサステナビリティへの言及が非常に多い印象があります。ヨーロッパへ行くと、街を歩いているだけでサステナブルに関連するアピールが多いことを感じます。商品の推しポイントがサステナブルである場合も多く、広告でサステナブルを謳う＝サステナブルであることが消費者にプラスの印象を与えている、ということの証左かと思います。
また、当然ただ私が「感じる」という曖昧なものではなく、実際のデータでも結果が出ています。2022年のデータのためやや古いのですが、ネット上で調査結果が公表されているので、ご興味のある方は下記2つを検索してみてください。
１．サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査結果(日本/グローバル比較) ボストンコンサルティング グループ 2022年6月発表
・日常生活における自分の行動が気候変動に与える影響について気にしている人の割合
フランス 88% ドイツ 81％ 日本 47％
・気候変動に与える影響を減らすために、自分の消費を制限することができる人の割合
フランス 91% ドイツ 80% 日本 45%
２．新たな価値を目指して サステナビリティに関する意識調査2022 PwCジャパングループ 2022年9月発表
・過去1年でサステナブルな商品を購入したことがあり、今後も継続的に購入したいと考えいている人の割合
イギリス 65% 日本 24% 米国 65% 中国(都市部) 70％
・生活用品購入時に、サステナブルな商品が普通の商品より10%以上高くても、サステナブルな商品を選ぶ人の割合
イギリス 26% 日本 10% 米国 24% 中国(都市部) 36％
これらの調査結果を見ても、他国と比べて、日本は消費行動にサステナビリティが影響しないということが分かります。ただし、日本の1人あたり二酸化炭素排出量は2023年時点で米国や中国より低いです。環境意識調査の結果が優れているからと言って、米国・中国がサステナブルな社会を実現しているとは言えません。米国は国土面積が広いうえに車社会、かつ大国で、二酸化炭素の排出量は世界第2位です。中国も人口が世界最大で、石炭火力発電を多用していることもあり、二酸化炭素の排出量は世界第1位です。
さて、欧州の環境意識の深化が実際にアパレル業界へ与えている影響について、ごく一面からですがお話いたします。
今回イスポで聞いたあるセミナーでは、PFAS規制についての講演がありました。PFASとは、炭素とフッ素を人工的に合成して作った化学物質のことで、PFASは分解されにくく、一度排出されると環境中に残存します。近年の研究でPFASの一部は、健康への悪影響が懸念されています。欧州では先進的なPFAS規制の動きが強まっているため、アパレル階でも一つのトピックとなっています。
例えば、防水被膜で有名なゴアテックス社は、従前PFASが含まれた被膜を使用していました。現在はPFASの含まれない被膜を開発していて、2025年までには完全なPFASフリーを目指しているようです。
PFASは環境問題という広い括りのなかでは一部であり、当然温室効果ガスもメイントピックですし、環境問題に留まらずサプライチェーンの労働環境やアニマルウェルフェアもサステナビリティに含まれます。
私は個人的にはまだまだ視座が低く、サステナビリティを十分に意識した行動はできていません。ただ、弊社の取り扱っているスウェーデン発の「ICEBUG アイスバグ」はかなりサステナブルに気を使っている会社なので、まずアイスバグを履くことから環境・サステナビリティを意識していきたいと思います！
また別の記事で、「ICEBUG アイスバグ」のサステナビリティに対する取り組みについて記事を投稿いたしします。